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クロスリアリティ・サスペンスADV『ANGEL WHISPER』発売など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間ほどのフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は4件です。

クロスリアリティ・サスペンスADV『ANGEL WHISPER』発売

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Child-Dreamは9月28日、クロスリアリティ・サスペンスADV『ANGEL WHISPER(エンジェルウィスパー)』を発売した。Nintendo Switch向けに配信されており、オープニングセールとして10月24日まで定価1,500円のところ34% OFFの990円で購入可能。

1999年にChild-Dreamがリリースした同名作品のリメイク。原作は「消失したゲーム作家の遺作をプレイする」という導入から進行するアドベンチャーゲームで、現実に存在するWebサイトからヒントを得るなど、今で言うARG(代替現実ゲーム)の先駆けとも言えるようなシステムが大きな特徴だ。

またシナリオ面では、原作リリース当時に話題となったオカルト系トピックである「ノストラダムスの大予言」を盛り込みつつ、ゲーム開発ものとしても楽しめる内容となっている。また結末へ向かうにつれてSF的な側面も増していき、24年前の作品でありながらAIの流行など現代に通じるトピックが描かれているのも見どころだ。

今回のリメイク版ではグラフィックが一新されているほか、原作の人気BGMもリマスター。原作の人気キャラ、占い師ライサによる占いシステムなども追加されている。また、今回のリメイク版は主人公であるゲーム作家の娘からリメイクを依頼されるという導入となっており、新たなエピローグも追加。リメイク版をリリースすること自体も本作のメタ構造に組み込まれているような作りにも注目だ。

なお、発売を記念して、開発者のX(Twitter)アカウントのフォローおよび特定ポストのリポストで抽選によりプレゼントが当たるキャンペーンを実施中。第1弾は10月4日までで、1名に5,000円分のAmazonギフトコードが当たる。第2弾として10月4日より、本作のPVにて主人公の娘を演じる声優・清水愛さんのサイン入りポストカードが10名に当たるキャンペーンを実施予定。

ローグライクアクションRPG『CodeReactors』デモ版公開

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Studio Act Oneは、開発中のローグライクアクションRPG『CodeReactors(コードリアクターズ)』のデモ版の配信をSteamにて開始した。

『CodeReactors』は、魔法使いのヒマリが「5人の魔女」によって創り出された世界を冒険するアクションRPG。ランダム生成されるダンジョンを探索しながら戦っていく。デモ版では本編最初のダンジョンをプレイ可能。

戦闘では通常攻撃や回避、パリィといったアクションに加え、「スペルカード」による魔法攻撃が可能。スペルカードはランダムに入手したものでデッキを構築し、魔法はワンボタンでデッキに入れた順番で発動する。魔法同士のシナジーなどを考慮したオリジナルのコンボを組めるのが特徴だ。

さらに仲間の力を借りて変身し一時的に通常アクションが大幅に強化される「トランス」などのシステムも用意されている。

漢字生産自動化ゲーム『漢字インダストリー』早期アクセス開始

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Tsune Studioは9月27日、漢字生産自動化ゲーム『漢字インダストリー』の早期アクセスをSteamにて開始した。リリース記念セールとして10月5日まで40% OFFで購入可能。

漢字を生成する機械と組み合わせる機械を並べて生産ラインを構築していく、工場自動化系のシミュレーションゲーム。ステージクリアで新たな生産パーツを獲得していくローグライト要素のあるモードと、制限なく無限に工場を拡張していけるモードが用意されている(cafe IGD’s tokyo出展時のレポート記事)。

Steam「SHMUPフェス」実施

Steamは9月25日、シューティング系のタイトルをピックアップする「SHMUPフェス」を開始した。対象タイトルのセールなどが行われている。期間は10月2日午前10時(PT)まで。

もぐらゲームスの記事で紹介した作品のうち、セール対象となっているのを確認できた作品を以下に掲載するので参考にしてほしい。


紹介記事:超攻撃型にして超絶怒涛の最終決戦級”爆裂”縦シューティング、それが『GRAND CROSS: ReNOVATION』だ。


紹介記事:敵弾が多い時こそ反撃のチャンス!初心者にもオススメのカスり系STG『Graze Counter』インプレッション
※記事では『Graze Counter』を紹介しており、『Graze Counter GM』はそのリメイク版。『Graze Counter』もセールが実際されているが今からプレイするならGM版がお勧め


紹介記事:王道と革新の異なるSTGが楽しめる、一粒で二度美味しい魅力が詰まった『VRITRA Complete Edition』
※「SHMUPフェス」に合わせ、一部エフェクトやSEを変更し、手触りを強化するアップデートも実施されている


紹介記事:ミサイルのミサイルによる、ミサイルのためのSTG『MissileDancer』ミサイルを撃ち、ミサイルを防ぎ、敵を倒せ!


紹介記事:蒼穹を貫く天槍となれ!超音速ドックファイトバトル『Jet Lancer』


紹介記事:新しくも懐かしく、(何故か)RPGの匂いもするドイツ生まれの個性派STG『Rigid Force Alpha』


紹介記事:キーボード操作非推奨の90年代風ドット絵アクションSTG『Bot Vice』。絶対に息をついてはならない銃撃戦がそこにはある。



紹介記事:ラン&ガン系アクションゲームの巨大ボス戦がお好き?ならば『Probo Rush』と『Full Moon Rush』の2作に挑もう!


紹介記事:人生を充実させる、世紀末悪党”お掃除”アクション『HUNTDOWN』全ては賞金と島本のために!


天地鳴動の大回転バトル!”癖つよ”ツインスティックシューター『Roto Force』

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万華鏡、独楽、車のハンドル、中華料理店のテーブル。こうした物を無心で回した経験はないだろうか。円形の物を回転させるという行為は不思議とそれ自体が楽しいもので、終着点が無くいつまでも回していられる。今回紹介するのはそんな「回す楽しさ」を押し出した作品だ。

『Roto Force』はオーストリアのAccidently Awesomeが開発したツインスティックシューター。パソコン版がSteamならびにitch.io、スマートフォン版が各アプリストアにて2023年7月18日よりそれぞれ配信開始されている。過去にゲームボーイ風の作品を制作するゲームジャム「GBJAM5」(関連記事)に出展されていた『Pixel Soldier』の内容を発展させた作品となっている。

回り回れよ目が回る~!

『Roto Force』では、壁を這うナメクジのような姿の「インターン」となり、特殊戦隊「ロトフォース」の見習いとして気まぐれな上司の元で戦うことになる。本作の最大の特徴となるのが、中央を軸に回転する円形フィールドの内側で戦うこと。グルグルと動き回るだけでもドライブ感を楽しめる。また円形フィールドの特質上「画面端」が存在しないため、端に追い詰められてからの切り返しを意識することなく伸び伸びと動き回ることができるようになっている。

操作は左スティックで移動、左トリガーでダッシュ、右スティックで照準、右トリガーでショット。スマートフォン版では画面の左右にバーチャルスティックが用意され、バーチャルスティックを上方向にスライドさせることでダッシュやショットを行う。

ダッシュは自分から見て対面側に素早く移動することができるだけでなく、敵からの攻撃をすり抜ける、アイテムなどに張られている泡バリアや空中に滞留するスライムを破壊するといった効果がある。ダッシュボタンを押しっぱなしにしていると画面が暗転してスローモーションが発生し、その際にアイテムのストックがあれば攻撃力のあるスーパーダッシュを放つことも可能だ。ダッシュの使いこなしが生き残りの鍵を握るので確実にものにしておこう。

ステージも武器もギミック満載でお届けします

本作はチュートリアルを除き全10ステージで構成されており、チュートリアル終了後は8つのステージを選択して攻略していくことになる。各ステージにはそれぞれ火炎、電気、スライムなど様々なテーマが用意され、ステージの最後に現れるボスを倒せばクリアとなる。ステージ選択画面で鍵のかかっているステージは先に隣のステージをクリアしていないと侵入することができないようになっているため、攻略の順序にも気を付けよう。

ステージ内はチェックポイントが10~15個ほどに細かく区切られている。自機が倒されてしまった時のリトライはもちろんのこと、ステージを途中で中断しても進行状況は残るようになっている。行き詰った時に別のステージに挑戦したり、ちょっとした時間に細かくプレイするのに便利な構成だ。

ステージ途中には「抜き打ちテスト」と称した中ボスが現れ、これに勝つことで新たな武器を入手することができる。入手できる武器は全9種で、発射後に射撃ボタンを離すことで多弾頭化する「ホーミングショット」、射撃ボタンを押しっぱなしにしてチャージしてから放つ「跳弾ライフル」、逆に射撃を行わないでいると発射弾数が強化されていく「スプレッドショット」など、いずれの武器もワンボタンとは思えない独自の操作方法と特性を持ったものとなっている。こうした癖つよな武器の数々を使いこなしていくのも本作の楽しみのひとつだ。

こんなに過酷な職場だなんて聞いてないぞ

ロトフォースの労働環境は大変ブラック。ゲーム展開自体がスピーディな点に加え、地面から突然迫り上がるような攻撃や、背景だと思っていた電極から電撃が飛んでくるなど、奇襲的な攻撃がとにかく多い。強力な回避アクションであるダッシュこそ存在しているが、咄嗟の対応は難しいうえ、ダッシュ自体の操作も焦っている状況では自ら敵の中に飛び込んでしまいがちだ。攻撃がどこから飛んでくるかを「死んで覚える」我慢の攻略スタイルを強いられることになるだろう。

ハードさに追い討ちをかける点として、体力回復ハートなどのアイテムの取りにくさが挙げられる。ダッシュでアイテムに付いている泡を割り、さらに滞留するアイテムをショットで撃ち落として、そこから拾いに行くという3ステップを踏まねばならず、忙しい状況のなかではなかなか活用しづらく感じられる。また、スーパーダッシュのストックはステージクリアやリトライの際には無くなってしまい使いどころを逃しがちなのが寂しいところだ。

難点も述べたが、スクロール型とも全方位型とも異なる回転フィールドの味わいや、ボスの胃袋の中で戦う等の多彩なギミックの楽しさ、上司との妙なノリの会話など憎めない面も多い。一風変わったシューティングゲームを求めている人に触れてみてほしい一作だ。

[基本情報]
タイトル: 『Roto Force』
制作者:Accidently Awesome
クリア時間:  6時間~
対応OS: Windows, Macintosh, Linux, Andrioid, iOS
価格: $8.00 / ¥920

↓ダウンロードはこちらから
(Steam)

(itch.io)

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Google Play で手に入れよう

(App Store) ※アプリ内課金方式
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横スクロールSTG『モリシューター!のぞみ』リリースなど ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間ほどのフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は3件です。

横スクロールSTG『モリシューター!のぞみ』リリース

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横スクロールシューティングゲーム『モリシューター!のぞみ』が10月1日、Steamにてリリースされた。10月8日までリリース記念セールとして10% OFFで購入可能。

パズルバトルゲーム『パズルバトラー!みらい』(紹介記事)開発元であるWandering Wonderの最新作。敵にモリを撃ち込み、モリを刺した敵の方向に強化ショットを発射するシステムが特徴。引っぱる敵に接近して撃ち込むほど高得点というスコア稼ぎ要素もポイントとなっている。そのほか、稼いだジェム(通貨)で新たなブキ(ショットの種類)を作成するといった要素もある。

なお、通常難易度のほかに「弾を撃つ代わりにスイーツを発射してきて集めることができる」というユニークなEasyモードが用意されているのも特徴。Easyモードでも他の難易度と同じエンディングまで遊べるとのこと。

海底街づくりSLG『ヘレの海底都市計画 ~箱庭に空気を植えるSLG~』リリース

GameProjectNandTは10月6日、海底街づくりSLG『ヘレの海底都市計画 ~箱庭に空気を植えるSLG~』をSteamにてリリースした。リリース記念セールとして10月13日まで20% OFFで購入可能。

海底都市の再建を目指すシミュレーションゲーム。「ミラの花」と呼ばれる空気を生成する建築物を活用し、周囲の土地を開拓しながら街を拡げていく。新しい建築物のレシピやミラの花の種、ストーリー解放に必要な謎のオーパーツなどを入手するため探査艇に乗り込み探索を行う要素なども存在する。

ノベルゲームエンジン「Light.vn」バージョン14.4公開

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ノベルゲームエンジン「Light.vn(ライト・ヴィエン)」のバージョン14.4が公開された。

ビジュアルノベル系作品を中心としたゲームの制作に適したスクリプト型のゲームエンジン。専用エディターが用意されており、エディター上でのリアルタイムプレビュー機能が大きな特徴となっている(紹介記事)。

バージョン14.4では3Dモデルの読み込み機能において、ボーンの存在するモデルに対応。これにより3Dキャラクター制作ソフト「VRoid Studio」で作成された3Dモデルのインポートも可能となった。

また、シナリオ抽出ツールが追加された。スクリプトからシナリオを判別して抽出し保存することが可能。たとえばボイス収録用の台本の作成などに応用できるだろう。

RPG『Scarlet Record』デモ版公開など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間ほどのフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は4件です。

RPG『Scarlet Record』デモ版公開

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Crescent Sun開発のRPG『Scarlet Record(緋色の記録)』のデモ版がSteamにて配信開始された。

“さすらいの筆記者”ルビーと仲間達が遺物の調査などのため冒険を繰り広げて行く作品。戦闘はサイドビューで、戦闘フィールド上の位置取りの概念があるのと、1ターンの間に移動も含め複数回行動できるのが特徴。スキルなどの効果範囲や、フィールド上に及ぼせる効果なども考慮した戦略が攻略のポイントとなっている。

キャラクターの立ち絵および戦闘画面のドットグラフィックいずれもオリジナルで、こちらも見どころ。

なお本作は2022年にリリースされた『Eremidia – Archivist’s Curse』の続編で、同作は現在Steamにて無料配信されている。

伝奇ADV『被虐のノエル』Season3.5 Steam版配信開始

伝奇アドベンチャーゲーム『被虐のノエル』Season3.5のSteam版が10月13日に配信開始された。

『被虐のノエル』は、カナヲ氏(てりやきトマト)が株式会社バカーのゲーム配信サイト「ゲームマガジン」でフリーゲームとして連載していた作品(完結済み)。契約によって願いを叶える悪魔が実在する世界の港町「ラプラス市」を主な舞台に、両手両足を奪われた少女ノエルと大悪魔カロンのコンビによる復讐の物語が描かれる(紹介記事)。

2022年には物語の前半にあたるSeason1~Season7がNitendo Switch/PS4/Xbox One向けにリメイク。その際、追加エピソードとしてSeason3とSeason4の間を描くSeason3.5が制作された。今回そのSeason3.5のPC向け単体販売が行われた形だ。

今回配信開始されたSeason3.5は、オリジナルのフリーゲーム版をSteam向けに有償配信しているバージョンのDLCという形で配信されている。なお、PCでSeason3.5をプレイする方法としては、ほかにXbox版がWindowsにも対応しているためこちらでもプレイ可能。

ADV『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』スマホ版セール実施

将棋の藤井聡太八冠の八冠制覇を記念し、将棋をテーマとしたアドベンチャーゲーム『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』のスマートフォン版のセールが開始された。「8」にちなんでAndroid版は480円。一部シナリオがDLCに分離されているiOS版は本体が80円、DLCは半額となっている。

『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』は、ゲーム制作集団Child-Dreamがフリーゲームとして公開していたアドベンチャーゲーム『千里の棋譜』のリメイク作品。『千里の棋譜』は将棋をテーマにしたミステリー作品で、名人の失踪や、将棋界で隠され続けていたとある秘密を軸に、「将棋界最強は人間かAIか」といったトピックも絡めつつ物語が展開していく。高橋道雄九段が企画監修を行っており、ゲーム内に出演しているのも特徴。

リメイク版である『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』は、Child-Dream代表で同作シナリオライターの宮下英尚氏が設立した株式会社ミスタ・ストーリーズとケムコの共同制作で、従来のシナリオを第一部とし、第二部として書き下ろしの新章が追加されている(紹介記事)。

今回セールが実施されるスマートフォン版のほかにはPC版およびPS4版、Nintendo Switch版が配信中。

アクションSTG『Probo Rush』『Full Moon Rush』大型アップデート

Silkworm開発のアクションシューティングゲーム『Probo Rush』『Full Moon Rush』の大型アップデートとなるバージョン1.1.0が配信開始された。

『Probo Rush』および『Full Moon Rush』はボス戦のみを収録したアクションシューティングゲームで、いずれも10体のボスを収録している(紹介記事)。今回のアップデートでは、両作品それぞれに5体の新ボスが追加された。

『Probo Rush』では水中をテーマにしたボスが追加。水中では火炎放射器が泡を発射する武器に変化し、威力が減る代わりに射程が伸びる。『Full Moon Rush』ではロボットや悪魔といったボスが追加されている。

”病み”に抗い、悪魔を狩りまくり、地獄を制圧してのお疲れちゃ~ん♪それが爆速爽快FPS『HAZAMA_QUEEN』だ!

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202X年、世界は「病み」に包まれたッ!
地上は悪魔たちで溢れ返り、人類はただひたすらに蹂躙され、絶滅を待つのみ!
だが!彼らには最後の希望があった!
地雷系メイクガール「串刺しメアリー」である!

彼女はすべての元凶たる「魔王」を始末すべく、地獄へとただひとり突撃する!
すべては「病み」に包まれた世界を救うため!
さあ、制圧せよ―地獄をッ!!

……と、Steamストアページに記載されたストーリー紹介をホドホドに装飾し、脳内に千葉繁氏を召喚させつつ書いてみたのだが、こんな感じで良かったのだろうか。

そんなこんなの『HAZAMA_QUEEN(ハザマクイーン)』です。
個人開発者のBhaskara(ばーすから)氏が諸々我慢できなくなっちゃって、当初の予定を前倒しして販売しちゃった作品である。
ちなみに5月頭の予定だったらしい。
そして、発売後もアップデートで色々追加されていたりする。

本稿はあえての我慢の末、あれこれ追加されちゃった最新のバージョンを元に書いた。
耐え抜いたぞ。(実際はタイミングを見計らいすぎただけです、すみません。)

生き残りたくば悪魔を倒し続けろ!攻撃重視型のFPS

本作『HAZAMA_QUEEN』はファーストパーソンシューター、略してFPSだ。プレイヤーは主人公の串刺しメアリー……と、いちいち書くのはわずらわしいので、メアリーと以下から略す。メアリーを操作し、悪魔たちを狩り倒しながら3つのゾーンと複数のエリアから成る地獄を駆け抜けていく。

最終目標は最深部で待ち受ける「病み」の元凶、魔王を刺身にすることである。

本編はゾーンごとに設けられたエリアを順番に攻略していく形で進行。各エリアでの目的は出口(ゴール)への到達だ。到達することで次のエリアが始まり、以降その繰り返しになる。いわゆるステージクリア型アクションゲームの流れと同じだ。ただし、その途上でメアリーが力尽きれば即ゲームオーバーとなり、最初のゾーン1からやり直しである。たとえゾーン3まで進んだとしても、やられてしまえば問答無用で最初からだ。慈悲はない。

この仕組みが物語る通り、本作にはローグライク要素が”ごく僅かに”採用されている。ごく僅かの通り、一部の要素は採用されていない。敵や地形が前回のプレイとは異なるものに変化する自動生成システム、プレイヤーが一歩動けば相手も一歩動くターン制がその一例だ。

逆にやり直し以外で採用されているものは、ランダム選択式のパワーアップシステム。本作は各フロアの出口に到達すると、「スキルカード」なるメアリーの強化などを図るカードを選ぶ画面へと移行。ここで出される3枚の中から1枚を選ぶという、昨今で言うデッキ構築型、サバイバー系でお馴染みの要素が備わっている。

採用されているもので挙げられるのはそれぐらい。これが”ごく僅か”が意味するところである。なので、ローグライク系FPSと言えなくもないのだが、それ絡みの要素が最小限かつ軽めという……いわゆる”ライト”に強く寄った設計になっている。

これら以外にも特徴的なシステムがある。それが両手に備わった武器と「病みヂカラ」。

両手に備わった武器は文字通りである。メアリーは左右の手、それぞれに武器を持つ二刀流スタイルを基本としている。。二刀流と書きはしたが、実際に用いるのは銃火器である。

けど、ちゃんと刀と言い切れる武器もあるから安心してね♪(?)

ただ、メイン装備として使うのは左手の武器。右手は連射性に劣る高火力武器(技)で、耐久力の高い敵を即座に倒す時など、ここぞという時に用いることが推奨される位置づけになっている。また、基本的に両方の武器に弾数制限はなく、無限に撃ち続けられる。しかし、左手にはリロードの概念があり、発射可能な最大数を撃ち切ると弾の補充による隙が発生。右手にも同様にクールダウンの概念があって、使うと一定時間が経つまでの間は使えなくなる。

そのため、戦闘においては左手のリロードが発生した時は右手による攻撃で隙を無くす、右手がクールダウン中で使えない時は左手の武器で応戦するといった状況に応じた切り替えが大事。仕組み的には単純だが、それぞれの長所と短所を補う使い方が試されるという、なかなかに戦術的なシステムになっている。

「病みヂカラ」は端的に言えば、メアリーの体力。画面中央にサークル状で表示される。だが、これは時間経過と共に減っていく。すべてが尽きた時に何が起きるかと言えばゲームオーバーだ。残念ながら最初からやり直しです。

なので、本作ではこの減り続ける体力を回復し、キープし続けることが求められる。回復方法はいたって単純で、道中に現れる敵の悪魔たちを倒すだけ。だが、回復しても体力はお構いなしに減り続けるので、キープするには悪魔を倒し続けなくてはならない。もし、その流れが滞れば……ご想像の通りである。もちろん、悪魔の攻撃を喰らってもいけない。何故かはご想像の通りである。

まさに「生き続けたくば悪魔を殺しまくれ!」と言わんばかりの攻撃推奨のシステムになっている。なので、本作で攻撃を避けるとか、逃げるとかを考える暇はない。倒せねばやられてしまうからだ!

このような特徴的なシステムを本作は備え、独特のスリルと戦いを提供するFPSに完成されている。そして、この作りもあって、ゲーム全体のスピードとテンポも”爆速”と言わんばかりに速い。誇張抜きにレースゲームさながらである。

思わずクセになるスピード感と、確かな上達が得られる絶妙な難易度

そんな爆速なスピード感によるスリルと、爽快感が本作の売りとなっている。

なにせ、悪魔を倒し続けなければメアリーがやられてしまうのだ。最初からやり直しになっちゃうのだ。人生達成しちゃうのだ。時折、待機を挟みながらゆっくり進めようとしても以下ほぼ同文。おかげで本編開始から最後まで、立ち止まる瞬間なんてほとんどない。文字通り”目まぐるしい”展開がこれでもかと言わんばかりに連続するのである。

加えて悪魔を倒し続ける、立ち止まってはいけないというルールの数々がプレイヤーの脳味噌をフル回転させ、集中状態にする。立ち止まらない状態を維持しつつ、適切な立ち回りをせねば全てが水泡に帰すのだ。嫌でもそうなる。

なので、先んじて言えば、本作はFPS耐性のない人にはだいぶ(3D酔い的な意味で)応える。そもそも、普通に移動するだけでもかなりの速さであり、下手に視点を回転させればエライコッチャなことになり得る。もし、すでに本作に対して興味を持っているとするならば、まずはストアページに掲載された動画を確認し、耐えられるかどうかを判断していただきたい。「これはヤバい……」と感じたのなら悪いことは言わない、挑戦しない方がいいだろう。逆に「バッチコーイ!」と感じたのなら何も言いません。覚悟を決めろ。


▲基本、進むべき道や敵の出現位置はほぼ固定されている。

爆速だけに、初見時も困惑しやすい。ただ、慣れてくるとテンポよく、かつリズミカルに悪魔を倒せるようになってくる。というのも、前述したが本作にはローグライク要素の定番たる自動生成システムがない。そのため、エリアごとの地形、敵配置はほぼパターンで組まれており、トライ&エラーを重ねればその経験に準じた対処ができるようになっていくのだ。なので、やればやるほどプレイヤー自身の経験値が貯まる。そして、次回以降のプレイが洗練されていく。そうも露骨なほど上達が現れやすいバランスになっているのだ。

特に左右の武器使い分け、ダッシュアクションのクセを掴めば、まさに爆速を通り越して音速で悪魔たちをスタイリッシュに狩り倒す爽快感が堪能できる。メアリーのパワーアップを図るスキルカードに基本、弱体化につながる類のものがないのもそれを助長。枚数が増えるほどステータスは過激になり、力押しが容易になっていくのは痛快の極みだ。

それでも悪魔を倒す流れが滞ると危ないという、緊張感が損なわれないのも凄い。華麗に倒せるようになっても、倒し続けることは常に意識しなければならないのだ。相応にゾーンの構成も後半ほど長くなってくるので、イタズラに時間を消耗しすぎないよう突き進む判断も試されてくる。各ゾーンの最後に設けられたボス戦も、ターゲットにダメージを与え続けつつ、自分も回復を図り続けることが求められるので、どんなに強くなっても戦術的な立ち回りは必須だ。

このような難易度調整の絶妙さも特筆に値する部分で、単にスピード感と爽快感重視で終わっていないのが素晴らしい。ローグライク要素の厳選もそのバランスを実現する狙いがあるとすれば非常に理にかなっていて、極めて適切な判断と言える。

細かい部分でも悪魔たちを倒した時の軽快な撃破音、派手なエフェクトと少しグロテスクなやられ様も爽快感を引き立てつつ、プレイヤーが上手くなった手応えを演出する仕掛けとして機能している。

どうしても絵的な迫力が前に出がちだが、実際に遊んでみると作りはなかなか緻密で、システムも含めて考え抜かれている。速いなりにFPS耐性のない人には辛いが、耐性があり、爽快感のあるFPSをお探しの人なら、本作はぜひともプレイいただきたいところだ。ローグライクのランダム要素に抵抗のある人にも薦められる。
とりわけ上達が現れやすいところは、分かる人には深々と刺さるはずである。

なんだかとってもヘンテコな武器にも注目の力作にして怪作

難易度に関しては、FPSが苦手な人から熟練者への配慮がバッチリなのも見所。

ほぼ無敵状態になる簡単なものから激ムズまで、計5種類が選べる。どれを選んでもエンディングまで到達可能なので、お好みの加減で楽しめる設計だ。ただ、バランスの妙を味わいたければ「レッツメイク!」以上を強くお薦めする。
逆に初見はそれより少し簡単な「イージィ↑↑」がいいかもしれない。もっと簡単な「可愛すぎて死ねない」だと文字通りメアリーがやられなくなるので、物足りなく感じてしまう可能性がある。

全ゾーンのクリア(※ゲームオーバーにならずエンディングまで到達)に要する時間が約15分と、爆速なりに短いのも見所。それでいてゾーンそれぞれが山あり谷ありの構成で、常に悪魔を倒し続けることが要求されるのもあり、密度が濃い。

それでいて、初回プレイ時のエンディング到達は、「イージィ↑↑」以上ならトライ&エラーが発生しやすい都合上、容易にはいかない。それも密度の濃さを印象付ける。ゆえに無事、エンディングを迎えられた時には結構な疲労感を覚えるかもしれない。難易度「レッツメイク!」なら尚更である。そういう意味でもお薦めの難易度です。

また、冒頭の通り本作はストーリーと世界観が全体的にカオス。頭のネジが外れているとしか思えないネタがてんこ盛りとなっている。

特にその象徴がパワーアップとして用意された武器で、スタンダードなハンドガンにレバーアクションライフル、近接特化型のナイフといったものにまぎれて、サークルクラッシャーの生首、バーチャルいいゲーマー(注:本人)といった謎めいたものが満載となっている。それらの性能もぶっ飛び気味、かつなぜか使いやすいというカオスっぷりなので必見だ。


▲実在する「バーチャルいいゲーマー」を武器に悪魔と戦え!(※バーチャルいいゲーマーについてはこちら

それらの武器を手に入れると、画面右側のメアリーのグラフィックが専用のものに変わるのもポイント。ちなみにメアリーはボイス付き。悪魔を倒した時に色々喋る。その中でも「お疲れちゃ~ん♪」は、間違いなく本作をプレイした人の耳に焼き付いてしまうだろう。

他にもキーボード+マウス特化の快適な操作周り、進めるたびに曲調が派手になっていく音楽、ラフ画(!)で描かれたイベントデモといった印象的かつ衝撃的な見所は多い。逆に気になるところとして、表示設定のオプションが保存されない(フルスクリーンにしても起動時は毎回ウィンドウで始まる)、右手攻撃時のヒット感がやや弱い、背景が3Dでキャラが2Dの関係で主に攻撃の距離感が掴みにくいなどもある。
ただ、いずれも爆速なゲーム展開の勢いが強すぎるのもあって、ほぼ(物理的な勢いで)霞んでしまっている……のは果たしていいのかどうか。

とにもかくにも、FPSとしての出来は盤石。気軽に遊べる特徴も持ち合わせているので、FPS耐性がそれなりにあるなら、ぜひチャレンジいただきたい力作だ。古典的なFPSを知る世代をニヤリとさせるネタもある。そのような方々も気になればぜひ。

目にもとまらぬ速さで悪魔たちを狩り、地獄を制圧して元凶たる魔王に思い切って「お疲れちゃ~ん♪」と言い放ってやりましょうぞ。

[基本情報]
タイトル:『HAZAMA_QUEEN』
作者:Crush-vAdin(Bhaskara)
クリア時間:10~15分(1周)
対応プラットフォーム:Windows
価格(税込):500円

◇購入はこちら

RPG制作ツール「RPG Developer Bakin」早期アクセス1周年大型アップデートなど ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間ほどのフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は3件です。

RPG制作ツール「RPG Developer Bakin」大型アップデートおよびロードマップ公開

株式会社スマイルブームは10月18日、現在Steamにて早期アクセス実施中のRPG制作ツール「RPG Developer Bakin」が早期アクセス開始から同日で1周年となることを記念し、大型アップデートとなるバージョン1.5を公開した。

バージョン1.5では、呼び出した共通イベントの終了後にスキルを発動させたり、コマンド選択や決定のタイミングにイベントを挿入させるという、バトルシーンのカスタマイズの自由度を上げる機能を追加。スキル発動時にカットインを入れるといった演出の強化が可能となった。

また、キャラクターのステータスを自由に追加・削除する機能も追加。たとえば「運」や「スキル防御力」など標準では存在しないステータスを追加し、ダメージ計算式に反映させることができる。ほかにもレベル成長曲線のカスタマイズなど、数多くの機能追加・改善が施されている。

さらに、製品版の発売に向けて今後実装する予定の機能について、ロードマップが公開された。検討中の機能も多数あるため、ロードマップは随時更新されるという。なお、本ツールの早期アクセス期間は「1年ほどの期間を想定」と案内されていたが、ユーザーより寄せられた意見・要望を受けて更なる機能強化・改善を行うため、早期アクセス期間が「2024年中」に変更された。

そのほか、早期アクセス開始から1周年を記念したセールも同日開始された。「RPG Developer Bakin」本体や対象となるDLCが11月1日午前10時まで10% OFFとなる。また、新たに3D素材などのDLCが4つ発売されており、こちらは10月25日午前2時までローンチ割引として10% OFFとなる。

ADV『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』PS4/Switchパッケージ版プレゼント企画実施

ケムコは10月16日、アドベンチャーゲーム『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』のPS4/Nintendo Switchパッケージ版のプレゼント企画の募集を開始した。

『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』は、ゲーム制作集団Child-Dreamがフリーゲームとして公開していたアドベンチャーゲーム『千里の棋譜』のリメイク作品。『千里の棋譜』は将棋をテーマにしたミステリー作品で、名人の失踪や、将棋界で隠され続けていたとある秘密を軸に、「将棋界最強は人間かAIか」といったトピックも絡めつつ物語が展開していく。高橋道雄九段が企画監修を行っており、ゲーム内に出演しているのも特徴。

リメイク版である『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』は、Child-Dream代表で同作シナリオライターの宮下英尚氏が設立した株式会社ミスタ・ストーリーズとケムコの共同制作で、従来のシナリオを第一部とし、第二部として書き下ろしの新章が追加されている(紹介記事)。

プレゼントへの応募は、ケムコ公式X(Twitter)アカウントをフォローし、対象のポストを所定の書式で引用ポストすることで行う。応募締切は10月28日。プレゼントはPS4版とNitendo Switch版、それぞれ8本が用意されている。

和風ファンタジーBGM素材集「倭刀伝、第一巻」ダウンロード販売開始

趣味工房にんじんわいんは、和風ファンタジーBGM素材集「倭刀伝、第一巻」のダウンロード販売を開始した。

RPG『ネフェシエル』『イストワール』の音楽担当としても知られるARA氏によるBGM素材集。作品コンセプトは和風のボス曲とのことで、和太鼓が多用されたフルオーケストラ仕様となっている。

ループ処理済みのOggファイル、Unityでのループポイントが処理されたWaveファイル、試聴用のMP3ファイルが収録されている。11月16日15時59分まで20% OFFセールが実施中。

和風ファンタジーBGM素材集「倭刀伝、第一巻」(趣味工房にんじんわいん)
動画・ゲームに自由に使える、版権フリーの、バトル曲多め、和風ファンタジーBGM素材集「倭刀伝、第一巻」です。大太鼓の力強い響きと心揺さぶる旋律が聞く人の心に響きます。

同人誌、同人ゲーム、同人ソフトのダウンロードショップ - DLsite

ローグライトアクション『MISTROGUE』正式リリースなど ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間ほどのフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は2件です。

ローグライトアクションゲーム『MISTROGUE ミストと生けるダンジョン』正式リリース

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株式会社Polyscapeは10月27日、Steamにて早期アクセスを行っていたローグライトアクションゲーム『MISTROGUE ミストと生けるダンジョン』を正式リリースした。11⽉2⽇まで、ローンチセールとして35% OFFで購入可能。なお、今冬にはNintendo Switch版の発売も予定されている。

「MISTROGUE ミストと生けるダンジョン」は、「不思議のダンジョン」シリーズをオマージュしたリアルタイム・3Dローグライトアクションゲーム。舞台は形を変え続ける不思議な「生けるダンジョン」で、合計80種類以上のスキルの組み合わせによるスキルビルディングや、ダンジョンの床を創造・除去できる「迷宮石」を利用したギミックなどが特徴となっている(インディゲーム展示会「cafe IDG’s tokyo」出展時のレポート記事)。

正式版ではこれまでのアップデートに加えてボスラッシュ系のエンドコンテンツ「百戦錬磨の道」が追加。新スキル・新アイテムの多数追加や遊びやすさの改善なども施されている。

Steam「絶叫フェス」開催

Steamは10月26日、「絶叫フェス」を開始した。ホラー要素のあるゲームなどのセールが行われており、期間は11月3日午前3時(日本時間)まで。

もぐらゲームスで紹介記事を掲載したゲームで、セール対象となっているのを確認できたタイトルを以下に掲載するので参考にしてほしい。


紹介記事:夫婦と猫二匹が生み出した『Salt and Sanctuary』は、高難易度アクションRPGの入門に適した傑作


紹介記事:ラヴクラフトvsニコラ・テスラ!? 撃滅系全方位シューティング『Tesla vs Lovecraft』


紹介記事:“純血種”ながらも軽快操作な魔界アクションゲーム『マルディタカスティーラ』


紹介記事:素直に遊べる”雰囲気系”横スクロールアクション『System Purge』真実に迫る者は”処分(パージ)”される。


紹介記事:『LIMBO』のplaydead新作『INSIDE』レビュー 生命があまりにも軽い世界の果てに、少年が見たものは

おJoy-Conのおビンタは唯一無二の一体感でしてよ。おビンタバトルゲームの究極完成形『薔薇と椿 〜お豪華絢爛版〜』

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巨大な遺跡の最深部に眠る秘宝を求め、冒険を繰り広げていく遺跡探検考古学アクションアドベンチャーゲーム『LA-MULANA(ラ・ムラーナ)』シリーズ(紹介記事。同作を手がけたインディーゲーム開発チームNIGORO(ニゴロ)は、WEBブラウザ上で遊べるFLASHゲームを多数手がけたことでも知られる。

そんなNIGOROが手がけたFLASHゲームの中で、全世界累計プレイ回数が2000万回に迫るほどの一大的な記録を残したのが、2007年に公開された『薔薇と椿』だった。

▲FLASH版『薔薇と椿』チュートリアル動画

華族の女性たちによる権力争いをテーマとしながら、平手打ち(おビンタ)の応酬を繰り広げるシュールなストーリー設定と世界観、単純ながらも手に汗握る駆け引きが展開される戦闘(その名も「おビンタバトル」)など、際立った個性を持ち合わせていた本作は、後に続編や他のインディーゲームとコラボレーションした番外編も誕生するなりしてシリーズ化を遂げる。
だが2017年、FLASHを開発したAdobeがそのサポートを2020年末をもって終了することを発表。将来的に『薔薇と椿』を始めとする、NIGOROの開発したFLASHゲームが遊べなくなることが決定してしまった。

他のプラットフォームへの移植は考えていないのか?2018年7月29日、東京・秋葉原で開催された『LA-MULANA』の続編、『LA-MULANA 2』の完成を祝うトークイベントにてその話題が上がったが、NIGOROのボスである楢村匠氏は現時点で考えていないとコメント。しかし、誰かが手伝ってくれれば歓迎する、『薔薇と椿』に関しては何らかの形で残すことを模索している……とも発言していた。(トークイベントの取材記事


▲「東京ゲームショウ2019」で出展されたスマートフォン版『薔薇と椿』(レポート記事より)

そして1年後の2019年9月12日、千葉・幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2019」でスマートフォン版『薔薇と椿』が発表。『ARTIFACT ADVENTURE 外伝DX』や『アンリアルライフ』の販売を手がけたことで知られる株式会社room6の協力を経て、装いも新たに蘇る形になった。ちなみに当もぐらゲームスでは、当時の東京ゲームショウ現地で取材したレポート記事を掲載中である。

このスマートフォン版は『薔薇と椿 〜伝説の薔薇の嫁〜』の名で2020年3月にiOS、Android向けに基本無料のゲームアプリとして配信。後に『LA-MULANA』とコラボレーションした『薔薇と椿 〜LA-MULANA編〜』もスマートフォン向けに配信された。

これで『薔薇と椿』はFLASH終了後も形を変えて残った……と、復活にまつわる展開が一段落したかと思いきや。2022年9月14日、なんとNintendo Switch版の発売が決定。翌日開催の「東京ゲームショウ2022」にて出展されるという驚きの展開を見せたのである。

後に『薔薇と椿 ~お豪華絢爛版~』と名付けられたNintendo Switch版は、発表から1年ちょっと過ぎた後の2023年9月19日に発売。今回は買い切り型のダウンロード専用タイトルとなっている。

販売は『LA-MULANA』シリーズでもNIGOROとタッグを組んでいるPLAYISMが担当。スマートフォン版の開発に関わったroom6も協力という形で参加している。

おJoy-Conによる直感操作で、おビンタは究極進化を遂げる

華族「椿小路(つばきこうじ)家」の長男、俊介の嫁として嫁いだ玲子。
だがそれから間もなく、夫の俊介は息を引き取ってしまう。

そして椿小路家の人々の高貴ないびりが続く中、玲子の中に秘めた庶民の血が燃え上がる。
俊介にもらった薔薇の花を胸に、玲子は椿小路家の人々に宣戦布告を行ったのだ。

「椿小路家は長男の嫁である私が頂く」。これは女たちの華麗なる戦いである。

改めてストーリーを紹介しつつ、ゲーム内容としては1対1形式の戦闘を繰り広げていくおビンタバトルゲームという名の対戦型アクションゲームとなる。プレイヤーは主人公の椿小路玲子に扮し、敵対する椿小路家の次女、長女、家政婦といった関係者たちとの戦闘(おビンタバトル)を順番にこなしていく。勝敗は画面下に表示された薔薇と椿で表された体力ゲージによって判定。つまるところ、全部失った方が負け(体力ゲージが残った方が勝ち)である。

おビンタバトルはターン(タアン)制で展開。基本的にビンタ(攻め)と回避(守り)を交互に行っていく。ただし、1ターンの内に放てるビンタは1回だけ。命中しても、外れてしまっても、それで1ターン終了になる。そのため、ここぞというタイミングを狙って「バチーン!」とブッ叩くことが勝敗のカギとなる。また、ターン中には画面左上に表示されたゲージが時間経過と共に減っていく。これが空になった時にもターンは強制的に終了となる。ゆえに、じっくり時間をかけることもできないので、素早く行動することが重要だ。まさに手早く、華麗にである。だって、手で戦うゲームなのですから。


▲回避と共に素早くおビンタすれば「おカウンタア」が炸裂!

なお原作のFLASH版、スマートフォン版はターン中、ゲージが無くなるまでは何回もビンタが行えるようになっていた。本作では前述の通り1回行動したらその時点で終了という仕組みに変更されている。結果的にターン制の色が濃いシステムに改まった感じだ。

また、スマートフォン版には新要素として「往復おビンタ」が追加されていたが、本作にも引き続き採用されている。何度かクリティカルヒットを決めると、相手の首元に「つかめ」のアイコンが現れ、指定の操作を行うと相手を連続しておビンタできるようになるというものだ。スマートフォン版が初めてお披露目された「東京ゲームショウ2019」の開催直前に実装されたという伝説(?)があるシステムだが(※当時のレポート記事より)、導入によって戦闘の派手さと操作の面白さが引き立つ様々なメリットがあったことから、本作でも削られることなく続投している。

そして、今回の『豪華絢爛版』最大の違いがJoy-Con……もとい。おJoy-Con操作への変更だ。おJoy-Conを片手に持ち、振ることによっておビンタを行うという、直感的なものに変更された。厳密にはAボタンを押しっぱなしにした状態で、おJoy-Conを振って実施する。同様に回避もおJoy-Conを用い、Rボタンを押しっぱなしにして手前に引く動作で実施する。

このような操作に一新されたことで、これまでにも増して相手を直接引っぱたいている手触りが強化。また、実際に手を動かして行うことから、おビンタの本物感も高まっている。前述の「往復おビンタ」ももちろん、おJoy-Conを振り続けながら実施する感じだ。おかげさまで「オラオラ感」、あるいは「百裂拳感」もパワーアップしております。

地味なところだが、玲子を始めとするプレイヤーキャラクターもこちらのおJoy-Conに応じて動作。おかげで、彼女たちとの一体感もより一層感じられるように。まさに『薔薇と椿』というゲームとの圧倒的な親和性が発揮された操作になっている。

ちなみにスマートフォン版のおスワイプ操作にも対応。Nintendo Switchの携帯モードで遊ぶ時はこちらの操作になる。そのようなことから、スマートフォン版とのハイブリッドとも言える作りになっているのも、本作のセールスポイントである。

他にも新要素として、FLASH版とスマートフォン版にはなかった2つの新シナリオ、それに伴う新しいおビンタ攻撃の追加、オープニングとエンディング(スタッフクレジット)の主題歌付きムービーデモ実装、ローカル限定の対戦モードの収録がある。

また、ストーリーの会話イベントもフルボイスになり、玲子に沙織といったキャラクターたちが喋るようになった。おビンタバトル中も各アクションに応じたボイスが挿入され、より賑やかになっているのも見所だ。

このように『お豪華絢爛版』の副題に相応しいパワーアップの数々が異彩を放つ内容に仕上げられている。しかも、新しいシナリオが2つも収録されているため、FLASH版とスマートフォン版を遊んだプレイヤーも新鮮な気持ちで楽しめる設計だ。

ちなみに『LA-MULANA』シリーズとコラボした『薔薇と椿 〜LA-MULANA編〜』もおまけで収録(※「お設定」から解禁することで遊べるようになる)。もちろん、こちらも本作仕様でアレンジされているので、ムーブルクやネブルといった『LA-MULANA』のキャラクターたちはフルボイスで喋ってくれる。『LA-MULANA』ファンなら必見だ。

おJoy-conが生み出した圧倒的な一体感と、強烈な新シナリオ

本作の魅力、まずその筆頭として挙げられるのはおJoy-conによる操作だ。実際に手を振っておビンタするスタイルになったのもあって、本当に相手を引っぱたいている気持ちになれる、それはもう大変素晴らしい手触りとなっている。

「往復おビンタ」もおJoy-Conのおかげでスカッと爽快な攻撃技に進化した。制限時間の許す限り、闇雲におJoy-Conを振り続けるのだ。そんなの気持ちよくて当たり前でございましょう。スマートフォン版のおスワイプ操作で、画面をひたすらこすり続けるのもそれは面白いものだったが、やっぱり”なりきれる”おJoy-Conは大変にお強い。

ただ、腕の力を振るう分、筋肉に負担がかかりやすくなったというデメリットも生じている。もし、腕の痛みが激しくなってきたら、一旦プレイを中断して小休止することを強くお薦めする。「そんなの知ったことか!パワー!」とおビンタ魂が燃焼中なら、続けてよろしくてよ。それで痛みが猛烈になったとしても責任は取りませぬ。


▲周囲が広いかどうかも重要ですよ。

そして言うまでもなく、この操作で遊ぶ際は必ず”おストラップ”装着の上で。おJoy-Conは大変に繊細なコントローラだ。もし、強い衝撃が加わったらどんなことになるのかは想像に難くないはずでございましょう。お気を付けなさって。

おJoy-Conにスポットライトが当たりがちだが、おスワイプ操作で遊べるのもスマートフォン版経験者には嬉しい見所だ。おJoy-Conとおスワイプ、2種類の操作が気軽に楽しめるのはNintendo Switchの大きな強みであり、当もぐらゲームスでも取り上げている縦横無尽な探索型アクションゲーム『DANDARA』(紹介記事)に並ぶモデルケースにもなっている。

また、おJoy-Conとは操作感も異なるからこそ、2周目として遊ぶという楽しみ方もできる。後述するが、新しいおビンタ攻撃もおスワイプ専用の操作にアレンジされているほか、逆におJoy-Conより出しやすいという特徴がある。もし、おJoy-Conとの違いが気になるなら、チャレンジしてみていただきたい。

操作絡みに次いで挙げられる魅力は、なんといっても2つの新シナリオ。家政婦・三田悦子の娘を主人公にした「ワールドユース編」、椿小路家長女の静香が主人公の「静かなる椿の日常」は、まさに本作だけの”おビンタバトル”が楽しめる内容に仕上げられている。

特に面白いのは「ワールドユース編」で、続々と現れる対戦相手たちの異様な戦法の数々に「おビンタって……何!?」という、哲学的な疑問と腹筋への甚大なダメージに襲われることになるだろう。このシナリオに関しては、事前に情報を集めないほど大きな衝撃(笑撃とも言う)が得られるので、本稿でも新しいおビンタ攻撃のことを除いて紹介は伏せる。存分におビンタの新世界を堪能してみていただきたい。

また、この2つのシナリオでは新しいおビンタ攻撃が登場し、戦術面の広がりによる変化が描かれているのも見所だ。特に面白いのは「ワールドユース編」にて使えるようになる「お掌底」である。え、それはビンタじゃなくて実質おパンチやんけ?だまらっしゃい。しかも、結構使うのにコツが要る技になっているんだぞ。


▲骨に響くぜ!

他にこの2つはシナリオ自体も見所が多い。詳しい内容は伏せるが、元々シュールだった世界観がさらに極まったものになっている。同時に、こんなのNIGOROにしか作れないだろ、と痛感させられる、唯一無二のセンスが炸裂したものにもなっているので必見だ。

とにかく、操作からシナリオに至るまで、面白さが極みに極まってしまっている。元々、原作のFLASH版、スマートフォン版の時点で唯一無二の面白さと個性はあったが、それは本作をもって他を寄せ付けない盤石なものに進化したと言ってもいいだろう。まさしくこれぞ究極完成形というに相応しい。『お豪華絢爛版』と名乗るのにも異議なしである。

おビンタバトルはここに究極的な完成を迎えたのです

とは言え、惜しい部分もある。
ひとつにボリューム。シナリオは増えているものの、すべてを終えるのに2時間程度と短め。FLASH版に存在した5段階の難易度変更機能もなく、やり込み周りが薄まってしまっている。これ自体はシナリオを増やすことでカバーしたと思われるが、さらに遊びこんでみたいプレイヤーを想定して設けてみるのも一興だったように思える。

また、先ほどエンディングにも主題歌付きムービーデモが用意されていると紹介したが、これが任意で見る形になっているのがちょっと勿体ない。事実上の最終シナリオである「静かなる椿の日常」が終わった後に挿入される仕組みにしても良かったように思う。ムービーデモと主題歌がとてもよく出来ているからこその惜しい部分である。

▲オープニングの主題歌とムービーも素晴らしい出来。

他に操作に関しては、クリティカルを出す際に若干、強めに振る必要があるのが気になるところ。ただ、これ自体はAボタンを押さずにおJoy-Conを構え、そこでAボタンを押しながら振り下ろすと上手く出やすいので、なかなか上手く出ない場合は試してみていただきたい。そして、おスワイプは反応が遅れたり、反応しなかったりなど不安定な時が生じるのが少し気がかりだ。ちなみにタッチスクリーンの本体設定が「タッチペン用」だと判定が厳密になり過ぎる弊害も起こり得るので、プレイ時は「標準」にしておくことを強く推奨する。


▲筆者は『脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング』を継続プレイしている関係で「タッチペン用」に設定しており、そのまま本作を遊んだところ、妙に判定が厳しくなる違和感を抱いた。

そして最後に惜しまれるのが、コラボレーションシナリオのひとつ、薔薇と椿とファタモルガーナ』が未収録なことだが……これ自体は致し方なしとする。

▲『薔薇と椿とファタモルガーナ』

仮に本作『豪華絢爛版』の仕様でリメイクするとなれば、大変なことになるのが容易に想像されるのだ。特に声優陣!もし、実現したら業界震撼の大事件やで!けど、見てみたいという気持ちがあるのも正直なところ……。(もし、クラファンやるなら支援します)

長々と綴ってしまったが、いずれも惜しいと感じた部分であって、ゲームとしての完成度は盤石だ。ゲーム以外の箇所にも光るものは多く、前述したムービーデモと主題歌はそのひとつだ。また、アニメパターンが豊富なキャラクターたちのグラフィック、世界観にマッチした厳かな音楽、おビンタの手ごたえを引き立てる質感抜群の効果音も素晴らしい仕上がり。それぞれのキャラクターたちを演じる声優陣の演技もハマっているほか、兼役では同じ人とは分からないほどの演じ分けをしているという見所もある。特に沙織と家政婦の三田を演じる浅井晴美氏が要注目だ。

総じて『お豪華絢爛版』の副題に相応しい完成度と、FLASHからスマートフォンへと展開された『薔薇と椿』の究極的な完成形と言わんばかりの仕上がり。原作を知るプレイヤーはもちろん、今まで本作のことを知らず、その異様な世界観に魅力を感じた人もぜひとも遊んでみていただきたい屈指の怪作にして傑作だ。Nintendo SwitchのおJoy-Conをフルスロットルで活かしきったインディーゲームを探している人もぜひ。

さあ、極みに極まったおビンタをしませう!

[お基本情報]
おタイトル:『薔薇と椿 〜お豪華絢爛版〜』
お開発:NIGORO(お販売:PLAYISM、お協力:room6)
おクリア時間:2~3時間
お対応プラットフォーム:おNintendo おSwitch
お価格:1,650円

◇お購入はこちら(My Nintendo Store)
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000062212.html


物理パズルゲーム『北海道ゲーム』リリースなど ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間ほどのフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は3件です。

物理パズルゲーム『北海道ゲーム』リリース

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丸ダイスは11月1日、物理パズルゲーム『北海道ゲーム(Hokkaido Game)』をSteamにてリリースした。リリース記念セールとして8日まで40% OFFで購入可能。

話題のパズルゲーム『スイカゲーム』をオマージュした物理演算落ちものパズルゲーム。箱に都道府県を落とし、同じ都道府県がくっつくと大きな都道府県へと進化。箱があふれる前に北海道を作ればゲームクリアとなる。進化時などに都道府県名を読み上げる珍妙なボイスなども見所。

PLAYISM「秋のSwitchセール」開催

PLAYISMは、「秋のSwitchセール」を開始した。本日紹介記事を掲載したビンタアクションゲーム『薔薇と椿 〜お豪華絢爛版〜』が20% OFFなど、PLAYISMパブリッシングのNintendo Switch向けタイトルが最大80% OFFとなる。セール期間は11月15日までの模様。

なおセール開催を記念し、PLAYISMの公式X(Twitter)アカウントをフォローし対象ポストをリポストすることで、「薔薇と椿謹製 Switchジョイコン用ボクシンググリップ(試作品)」が1名にあたるプレゼントキャンペーンも実施中。応募締切は11月14日いっぱいとなっている。

DLsite、iOS向けアプリ「DL Play Box」リリース

DLsiteを運営する株式会社エイシスは、DLsiteで販売されているPCゲームをiPhoneなどのiOS端末でプレイ可能にするアプリ「DL Play Box」をリリースした。

対応するタイトルをストリーミングでプレイする方式となっており、クラウド上にセーブデータを保存することで端末変更などにも対応する。「DL Play Box」対応タイトルは執筆時現在二十数作品で多くは成人向けの同人作品となっているが、対象ゲームは随時追加されるとのこと。また、Androidには今後対応が予定されている。

百合RPG『王女様と薔薇の騎士』約14年ぶりの大幅アップデートなど ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

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本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間ほどのフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は2件です。

RPG『王女様と薔薇の騎士』大幅アップデート

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えぬ氏(RPG探検隊)は11月7日、フリーゲームとして公開しているRPG『王女様と薔薇の騎士』の大幅アップデート版となるバージョン1.5を配信開始した。執筆時現在は各種調整が施されたバージョン1.6が配信されている。

『王女様と薔薇の騎士』は、長編RPG『帽子世界』などの作者として知られるえぬ氏が、2009年に百合ゲーム制作企画「ガールズパーティ」へ出展した作品。若手女性騎士ガラテアが、王女アトレイシア専属の近衛兵団「プリンセスガード」の団長に任命されることから物語が展開していく。

選択肢の中に「おバカっぽい百合選択肢」が混ざっており、それを選ぶと百合ゲージが上昇。百合ゲージが高くなるほど内容がカオスになっていくという構成も特徴だ。

不具合修正を除いた内容面の更新としては約14年ぶりとなる今回の大幅アップデートでは、タイトルロゴや立ち絵等のさまざまな画像の差し替え、キャラチップ画像の頭身アップ、一部イベントのテキストの差し替え、追加エンディングや「強くてニューゲーム」の実装、2周目以降に新しい仲間キャラを追加、メッセージのバックログ機能の追加など、多岐に渡るリニューアルや調整が施されている。

「WOLF RPGエディター翻訳サポートツール」発売

SmokingWOLF氏(Silver Second)は11月9日、「WOLF RPGエディター翻訳サポートツール」を発売した。

同氏が提供しているゲーム制作ツール「WOLF RPGエディター」における、多言語版のゲーム制作を支援するツール。ゲームのデータからすべての文字列を抽出してExcelファイルを生成し、このExcelファイルに訳文を書き加えることで、別言語版のゲームデータを生成することができる。

使用対象のゲームが無料か有料かなどによって3タイプのライセンスが用意されており、動作確認用の無料体験版も公開されている。